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「憲法審査会の早期始動を求める呼びかけ文」について

私ども、憲法改正国民投票法の成立に直接かかわってきた3人の前衆議院議員は、憲法改正原案を国会に提出し、審議する場所となる「憲法審査会」を早期に衆参両院において始動していただくため、去る4月18日付けで以下の文書を衆参全国会議員に送付致しました。
外務大臣を辞していた前原衆議院議員が、このたび空席だった民主党憲法調査会長に就任するという明るいニュースも伝わってきましたが、この呼びかけ文にあるように、この度の大震災のような国家的危機を乗り切るためにも、一日も早く憲法改正に関する議場が国会の中で活発に展開されることを心から望んでいます。

平成23年5月吉日
船田 元

衆議院議員 各位
参議院議員 各位

憲法審査会の早期始動こそ、「国難」打開の道です

はじめに

皆様におかれましては、連日、政務にご尽力のことと、心から敬意を表します。
私どもは、平成12年1月の衆院憲法調査会の設置以降一貫して憲法問題に携わり、平成19年に憲法改正国民投票法をとりまとめた立場から、昨今の政治状況に鑑みて、広く国会議員の皆様に対して、各議院に設置されております憲法審査会の早期始動を呼びかけるものであります。

昨今の我が国の情勢

去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う津波による未曾有の「東日本大震災」は、まさに国家非常事態というべき事象であり、国民の生命・身体・財産を保全し、安寧な生活を保障すべき責務を負っている国家として、これにどのように対処するかは、喫緊の国家的課題です。

また、去る3月23日、最高裁判所は、2009年の衆議院議員総選挙での「一票の格差」について、これを「違憲状態」との判決を下しました。これにより、国勢調査の結果を受けて衆議院議員定数の見直し作業を開始していた衆議院議員選挙区画定審議会はその作業を中断した、との報道もなされております。この先、衆議院の定数是正問題はどうなっていくのか、また同時に進められております参議院議員の選挙制度改革の行方も、どのように推移していくのでありましょうか。

さらに、以上のようなごく最近の事柄に限らず、ここ一年間の我が国をめぐる内外の情勢を眺めてみましても、北朝鮮による韓国・ヨンピョン島砲撃事件、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件、さらにはロシアのメドべージェフ大統領の国後島訪問事件など、国益に関わる外交・安全保障上の重要事案が立て続けに発生しております。

根底にあるのは憲法問題

以上のような課題は、いずれも与野党こぞってこれらに対する解決策を模索すべき重要事案でありますが、それらの根底には常に「憲法問題」が横たわっていることを、改めてご認識いただきたいと存じます。

例えば、ドイツをはじめとする各国憲法においては、大規模災害時における被災者の救援、その復興支援をどのように行うべきかといった内政的な非常事態への対処に関し、安全保障に係る対外的な非常事態への対処とともに、その基本的なスキームについて憲法に詳細な規定を設けております。また、衆参両院議員の選挙制度やその定数是正の問題は、議会制民主主義を支える根幹的な制度であり、優れて憲法問題であることは論を俟たないところです。

「ねじれ国会」と憲法問題

このような現状を踏まえれば、与野党の垣根を越えて憲法問題を真剣に論じることが今こそ求められている、と考えるべきでしょう。

しかし、いわゆる「ねじれ国会」の状況を背景にして、多くの先生方のご尽力にもかかわらず、これまでは必ずしも十全なる対応が図られているとは言えないとの見方が、あることも事実ではないでしょうか。そして、この「ねじれ国会」という状態をどのように評価するのか、というそのこと自体が、統治構造の基本に関わる憲法問題であることも、言うまでもないところです。

各議院に設置されているはずの「憲法審査会」

実は、国会において、国会議員が、与野党の垣根を越えてそのような憲法問題を論じ合う機関は、すでに設置されているのです。各議院の「憲法審査会」です。

憲法審査会というと、憲法改正原案を審査するためだけの機関と受け取られるかもしれませんが、そうではありません。憲法審査会は、憲法改正原案の審査以前に、国会議員が胸襟を開いて自由に憲法問題を議論することができる場であり、憲法の条項に照らして本当に国民生活は守られているか、また、より一層国民の福利向上のため、国益増進のためには、現在の憲法はそのままで有効に機能するのか等々を、国民代表たる国会議員が真剣に討議する場なのです。

参議院憲法審査会規程の制定と衆参憲法審査会の始動へ

しかし、平成19年7月の参議院選挙後の「ねじれ国会」状況を背景にして、憲法論議は、他の国政の重要案件の中に埋没してその重要性が等閑視されるようになり、憲法改正国民投票法により改正された国会法が予定していた、衆参の「憲法審査会規程」が制定されず、国会法上は「設置」されているはずの憲法審査会が始動しない状態のまま、既に4年が過ぎております。法律を制定した国会自身が、法律違反をしているという異常事態が続いているわけであります。

衆議院では、一昨年6月に「衆議院憲法審査会規程」自体は制定されましたが、衆参一緒の憲法審査会の始動を理由として、委員の選任も会長・幹事の互選も行われておりません。参院では、ようやく最近になって、「参議院憲法審査会規程」制定への動きが見られるとの情報にも接しておりますが、しかし、未だ実際の制定には至っておりません。

一刻も早く、円満に参議院憲法審査会規程の制定がなされ、衆参の憲法審査会が始動することをお願いするばかりです。

「国難」に直面した今こそ、与野党の垣根を越えた憲法論議を!

憲法を論議することは、国のあり方を考えることそのものです。「東日本大震災」という未曾有の自然災害による非常事態を目の当たりにした「国難」とも言える今こそ、被災した東日本地域の復興再生を通じて、我が国全土が将来にわたって安全で安心に暮らせる豊かな国として再生できるような「日本再生プログラム」を、各党各会派が掲げて、国民に訴えるべきではないか、と思います。首都直下地震、東海地震、東南海・南海地震のおそれが指摘される中、これらに対する防災の強化・震災に強い国づくりの必要性について認識を深めるとともに、この問題を、非常事態に対する基本的な国の構えに関する憲法問題として位置づけて、国民とともに考えていくことが喫緊の課題であると確信いたします。

そのためにも、憲法審査会を始動し、全ての国民に対して安心できる国家・社会の構築の基礎を構築するべく、与野党の垣根を越えた、未来に向かって夢を持つことができるような議論が行われることを心から望むものです。

最後までご精読いただき、ありがとうございました。

平成23年4月18日

未曾有の大震災に会われた方々の一日も早い生活再建と復興を祈りつつ
前衆議院憲法調査特別委員長 中山 太郎
前衆議院憲法調査特別委員会理事 保岡 興治
      同      理事 船田  元

皆様の積極的なご参加を心から期待しております。

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